理屈上、お金の効率と自由度のバランスで考えれば「賃貸は優秀」だと考えています。
それでも私は”建売一戸建て”を選び、今現在も快適に暮らしていますし、できれば長く住みたいとも思っています。
ではなぜ、今になって「リセール(売却価格)」を強く意識するようになったのか?
最大の理由は、住宅価格の高騰でも、老後不安でもありません。
唯一にして最大の理由は――
大地震などの災害や有事が起きたとき、自分と家族がどれだけ自由に動けるか、です。
この記事では、
分譲マンション10年→建売一戸建てに8年住んできた私が、
「それでもリセールを意識することは重要である理由」を具体的にお伝えします。
「住宅ローンを抱えている自分はどのようなリスクを抱えているのか?」具体的に認識し、大外れのない判断の一助になれば幸いです。
一戸建てのリセールを意識する理由|住宅ローン残債と資産価値の現実
私はライフプランシートを作成し、毎月家計簿もつけています。そして年一回、家計の貸借対照表(バランスシート)を更新しています。
負債は住宅ローンのみであり純資産はプラスです。毎月黒字家計のため、一見すると大きな不安はなさそうにも見えます。
そんな中、「大地震などの有事が起きたらどうなるんだろう?」我が家のライフプランシートはそこまで想定していませんでした。
私の住んでいる地域は南海トラフ地震が発生した場合、行政発行のハザードマップ上、津波や液状化の影響は受けないものの”震度6弱”とそれなりの被害も予測されています。
よって、「自宅売却で利益を上げたい」という趣旨のモチベーションではなく、「将来の選択肢」を失わないためにも一度リセールも含めて考えてみる事にしました。
もちろん大地震だけが有事ではありませんが、発生確率の高い有事だからこそ具体的に検討する価値はあるはず。
ちなみに南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は60-90%と言われています。
(公式:地震調査研究推進本部サイトの掲載ページはこちら)

賃貸vs持ち家|お金と自由度で比較すると賃貸が有利な理由
固定費が完全にコントロールできる
マイホームの場合は、マンション・一戸建てに関係なく、修繕費や災害リスクに備える費用が固定費として発生します。
この手の固定費は安全寄りに考えすぎると非常に高額となる一方、楽観的に考えすぎると取り返しのつかない事態にも繋がるため、見極めが難しい側面もあります。しかも全て自己責任です。
賃貸の場合はそれらの固定費が家主に全て転嫁されているわけですから、借主にとって大きなメリットであることは間違いはありません。
災害など有事の「移動の自由度」が圧倒的
大地震などの災害(極端な治安悪化などの人災も含みます)をイメージした時、その地域で生活すること自体が難しくなることは容易に想像できます。
そんな時、賃貸であればその地域から離れるという判断はしやすいはずです。不動産を所有していない身軽さによって、引越しをすることで容易にリセットが可能となることは、大きなメリットの一つだと思います。
それでも今の一戸建てには満足している
住環境の快適さは間違いなく高い
分譲マンションに10年住み、一戸建てに8年住んだことで、それぞれのメリットを肌で感じた私にとっては一戸建ての快適さは群を抜いています。
静かな空間・収納力・カスタマイズの自由度などは賃貸はもちろんのこと、分譲マンションと比べても優位性は疑いの余地がありません。
もちろん分譲マンションに優位性がある項目もあるため、どちらが快適と感じるかはその人の価値観によって異なります。
耐震性能への安心感
昨今の大手ビルダーの建売一戸建ては”耐震等級3”の認定を取得しているケースが多く、東栄住宅のブルーミングガーデンにおいても全棟で耐震等級3を取得しています。
公式ページ;ブルーミングガーデンは「耐震等級3」を全棟で取得!
ところで耐震等級3とはどのようなものなのでしょうか?
流石に大地震が発生しても「全く問題ありません」とは書かれてはいません。「倒壊しにくい家」「住み続けられる可能性は高い」というくらいの認識が妥当な気がします。
要は比較的レベルの高い耐震性があるのは事実。とはいえ「ノーリスクではない」と言うこと。では具体的にどの程度のリスクを想定しておくべきなのでしょうか?
南海トラフ地震で一戸建ての資産価値はどうなる?耐震等級3でも残るリスク
耐震等級3なら全壊しない?
2016年4月に発生した熊本地震では震度7を記録しており、その際の耐震等級3の建物に対する下記データがあります。震度7で倒壊率は0%、一部損は12.5%程度であった様です。
(引用元;国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析」)

無被害87.5%の物件は「地震保険金の支払い対象外」であったと推測できます。但し、具体的にどのように査定したのかは気になるところです。無被害と査定された物件が修繕費0円と思えないのは私だけでしょうか?
ちなみに地震の被害は震度だけでは測れません。地震の規模はマグニチュードであり、南海トラフ地震はM9と予測されています。熊本地震はM7.3でした。
一方、震度7ともなると木造の耐震等級3といえど、全壊20%程度と想定されている下記のようなデータもあります。想定モデルによって予測確率は変わる様です。
(引用元;内閣府|南海トラフの巨大地震 建物被害・人的被害の被害想定)

我が家のエリアは震度6弱と推定されており全壊の可能性は低いかもしれませんが、一部損は想定しておくべきと思いました。
国土交通省のWebサイトには耐震改修費のモデルケース(延べ面積約100㎡|木造住宅改修で224万円程度)も掲載されています。損壊の程度にもよると思いますが、一部損の修繕費は200-300万円程度といったところでしょうか?
エンジニア気質のせいか、個人的には500万円程度はみておいた方が無難な気さえします。壊れたものを直すというのは新しく造るよりも手間がかかりそうな気がするためです。
参考リンク;国土交通省住宅局「住宅・建築物の耐震化」
参考リンク;京都府「京都府の危機管理・防災:南海トラフ地震」
参考リンク;総務省消防庁|物的被害の状況(公共インフラ及びライフライン等の被害)
地震保険は“万能”ではない
ここまでの内容から、我が家を含めて耐震等級3の一戸建ては震度6程度であれば倒壊には至らなそうと思えてきました。これは家族の命を守る上でも重要であり、耐震性は高いに越したことはありません。
一方、耐震等級3とはいえ”一部損”は十分にありえる事が理解できます。
そういった住宅のリスクに備えるため、住宅保険には、火災保険と地震保険がありますが、どちらもポイントというか盲点があります。
☑️ 火災保険;地震起因の火災は火災保険の対象外
☑️ 地震保険;一部損の場合、支払われる保険金は5%
(火災保険2000万円の場合の受け取り保険金は50万円となります※地震保険は火災保険の50%のため)
個人的に、地震保険は保険の仕組み的にも無理があると感じており、倒壊リスクの低い耐震等級3の住宅であればなおさら、必須ではない様に思います。
被災後の住宅は「売れない可能性」も高い
大地震でも倒壊には至らなそうとは言っても、被災地の住宅価値はどうなるのでしょうか?インフラ影響もあるはずです。
個人的な感覚ですが、短期的なリセール急落は避けられないと思います。ただでさえ不動産売却には時間を要するわけですから、数年間は買い手がつかないリスクも想定しておくべきかと思います。
ただ、芸能人や政治家の不祥事が時間経過とともに風化することを考えると、いつか相場は戻るでしょう。それを見越した不動産投資などもありそうです。
ローンが残っている状態がリスクを高めている事実
ローン+家賃のダブルパンチ
南海トラフ地震がどの様な被害をもたらすかは分かりませんが、場合によっては被災地を離れて賃貸に住む想定もしています。
但し、私は現時点において住宅ローンがあります。ローンと家賃のダブルパンチは相当きついです。
家計のキャッシュフローの圧迫はどの程度になるのか?
ローン残高と保有する金融資産だけでなく、職種(事業主、サラリーマン、公務員)によってもリスクレベルは変わってくるはずです。
金融資産があっても「使いたくないお金」
現在、私は住宅ローンを抱えていますが純資産はプラスです。生活防衛資金として1年分の生活費は別枠で確保しており、某企業のサラリーマンであることから収入がゼロになる可能性は低いと考えています。
とはいえローンです。もしすべての金融資産をローン完済に充てると、株式投資はおろか生活防衛資金もままなりません。
賃貸の「移動の自由」どころか、生活すべての自由がなくなりそうです。
「お金」にはそれだけ人生の自由を左右する力があります。さすがは資本主義社会。
一戸建ての売却価格を把握しておくべき理由|選択肢を失わないための備え
売れる可能性がある=選択肢が残る
今ローンを完済するとしたら、最高に気に入っているブルーミングガーデンの我が家を売却するしかなさそうです。
そうなると気になるのは売却価格。
不動産売却査定サイトは多数ありますが、その中でも LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は匿名査定が可能ですので、大まかに売却価格相場を確認したい人には使いやすいと思います。
さて、ここまで賃貸と一戸建てそれぞれのメリット・デメリットを書いてきましたが、私は今すぐ自宅を売却する意思決定をしていません。
主な理由は下記です。
① 南海トラフ地震が発生した場合の倒壊リスクはほぼ0%と言えそう。(私の価値観では家族の安全は最重要)
② 一部損壊はありえるが修繕費はライフプランに大きなダメージを与えることはなさそう。
③ 現在の住まいの快適さに満足している。
もちろん、未来は誰にも分かりませんので、語尾に ”・・・・そう” が付きます。あくまで予測です。
とはいえ、このように情報を集めることで、自分がどの程度のリスクを負った状態で意思決定しているのかを認識することは大事だと思います。
投資でも同じことが言えると思いますが、自分のリスク許容度を把握せずに意思決定をするのは単なるギャンブルとも言えるからです。
ただ「今後も売却する気はないのか?」と問われると、それは分かりません。
私は状況の変化に応じて大外れのない意思決定をしたいと考えています。よって「いつでも逃げられる状態」、エンジニア的にいうと「バックアップ案」は常に持っておきたい。
したがって、私の場合は「それなりの価格で売れる可能性が高い」という状態を見極めながら今後も意思決定をしていくつもりです。こう考えていくと住宅購入は不動産投資となんら変わらないかもしれません。難しいはずですね。
※家の資産価値を守ることも大切ですが、そこに住む家族の安全を守る『備え』もセットで考えたいものです。わが家が計算し直した最新の備蓄リストはこちらにまとめています👇
ローン完済後は見え方が変わる
私は60歳までにローン完済のライフプランを立てています。
ローン完済後は固定資産税+メンテ費用だけなります。こうなるとキャッシュフローは大幅に良くなるため、変な話ですが「早く60歳になりたい」なんて思うことすらあります。
私はマイホームを売却し、賃貸にした場合のライフプランシートも作成しています。
いくつかのケースでライフプランを作成してみるとそれぞれの強みが見えてくるはずです。
※私が90歳になるまでのライフプランの一部を紹介している記事です👇
まとめ|家をどう持つかは「自由度」と「リスク」のバランスの話
私はこれまで、
マンション10年、建売一戸建て8年と住み替えてきました。
現在の住まいには満足していますし、今すぐ売却するつもりもありません。
それでも「リセール」を強く意識している理由は、
将来の選択肢を失いたくないから。
ありえる将来の困難を予測する事は、
辛い気持ちになるかもしれませんが、見えないフリも危ないと思います。
・耐震等級3でも“ノーリスク”ではない
・地震保険は万能ではない
・ローンが残っている状態は自由度を下げる
これらを整理していくと、
マイホーム購入は単なる住まいの確保ではなく、
人生の自由度を左右する資産であり、負債とも言えると思います。
どれだけのリスクを取って
どれだけの自由を確保しているのかを
自分で理解しているかどうか。
住宅購入は感情だけでも、損得だけでも語れませんからね。
だからこそ私は、
「今すぐは売らない」という意思決定をしながらも(実際は悩みながらも)
いつでも動ける状態を都度確認しています。
それが、私にとっての「リセールを意識する」意味です。
「筆者:ハブ(Hub)」



